こんにちは。コットン生地のエコバッグ・トートバッグ限定でオリジナルプリントをしている専門店です。
当店の商品名にある「ナチュラル」は、無漂白の生成り色のこと。
漂白していない綿そのままの色なので、白ではありません。
近くで見ると、小さな茶色い点や、糸の太さの揺れが見えます。
この点をどう見るかで、生地と印刷の選び方が変わってくる。
サイトの中にある事実と、実際にいただいたご相談から整理してみます。

キャンバストート(M)ナチュラル 12オンス
A4コットンバッグ ナチュラル 4オンス
目次
1. 「ナチュラル」は色の名前ではない
商品ページの仕様欄には「ナチュラル(無漂白の生成り色です)」と書いています。
色番号は008。ブラック009やネイビー006と並ぶ、ひとつの色扱いです。
ただ、染めてこの色にしたわけではない。
綿花を糸にして織り、漂白も染色もしていない状態が生成りです。
だから同じ「ナチュラル」でも、綿や織りの密度で白っぽく見えたり黄みが出たりします。4オンスのシーチングと12オンスのキャンバスでは、糸の太さが違うぶん見え方も変わる。
当店で「ナチュラル」を名乗る商品は、コットン100%の無漂白生地。コットンナチュラルショルダートートはエコマーク認定第08101009号を取得していて、認定タグがバッグの内側に付いています。
生成り(きなり)と綿カス
生成りは、漂白も染色もしていない糸や生地のこと。綿の繊維には細かなかけらが混ざっていて、漂白しないとそれが茶色い点として残る。当店の商品ページではこれを「ナチュラルカラー特有の綿カス感」と呼んでいます。シーチングもキャンバスも綿の平織りで、薄手をシーチング、太い糸を高密度で織った厚手をキャンバス(帆布)と呼び分けたもの。
2. 色ムラの正体は綿カス
ライトキャンバスフラットバッグ(S)の商品ページに、こんな一文があります。
「ナチュラルカラー特有の綿カス感もほどよく、印刷の発色がすごく素直」。
綿カスが、色ムラの正体です。
8オンスの生地でこの点が「ほどよく」見える、と自分たちで書いている。
欠点なら商品説明には書きません。
それでも書いているのは、この点があるから生成りに見える、という順番だからです。
同じページでは「8オンスで表面が比較的フラット。インキ定着が安定し、ロゴのエッジがシャープに出やすい」とも説明しています。綿カスの点はあっても、印刷の輪郭には響かない。
ムラは色の話で、面の凹凸の話ではないんです。
中身が透けにくいのも、この生地の特徴として同じページに挙げています。ナチュラルでも書類が透けにくいので、配布資料を人目からカバーできる、と。
3. 「茶みが強くなければ」というご相談
印刷ご依頼事例集に、デザイン制作会社の東京都MR様からの問い合わせが載っています。
区主催イベントの限定ノベルティで、全面に1色刷り。ロットは500枚。
条件の中にこう書かれていました。
「白地の布。ナチュラルも茶みが強くなければ検討」。
生成りを選ぶ時の本音は、たぶんこの一行に集約されています。
白が理想で、生成りは茶みの程度しだい。
この案件はコットンナチュラルショルダートートにシルク印刷1色刷りで500枚、という形で製作されました。4オンスのシーチング生地で、印刷範囲はW260×H300mm。
全面に太い線の大柄を入れたい、という条件に印刷範囲の広さが合った商品です。
持ち手は約25×650mmと長く、本体は約330×390mmのマチなし。商品ページには「生地カラーと同系色での印刷もオシャレです」という一文もあります。
茶みを避けるのではなく、寄せる選び方もある、ということ。
4. 印刷インクは生地を白と見立てる
色ムラが印刷にどう出るかは、印刷方式しだい。
いちばん影響を受けるのが染色プリントです。
染色プリントは、CMYKの染料を生地に染み込ませる方式。
その説明ページには「生地を白色と見立てて」染める、と繰り返し書いてあります。
白と見立てているのに、実際の生地は生成り。
だから薄い色ほど、生地の色が勝ちます。
「色が薄くなるほど、白色としての生地面が露出することになり、染料の粒子感が目立ちます」。
これが説明ページの言い方で、ベタ塗りはできるだけ濃い色を、とも。
白色のプリントができないのも染色プリントの性質です。
白いインクを乗せるのではなく染めるので、生成りより白い部分は作れません。
写真は、染色プリントの説明ページにある、生成りのオーガニック生地への写真プリント。
葉の色が薄いところをクローズアップすると、粒子の間から生地の色が見えます。

一方のシルクプリントは、ラバーインクを生地の上に乗せる方式。
カラーチップ(DIC・PANTONE)で色指定できるのはシルクプリントだけ、と染色プリントのページに明記しています。
キャンバストート(M)の事例では、北海道の保険代理店様がティールブルー(PANTONE 7709 C)の両面1色刷りで200枚。事例の説明は「やわらかな生成り色のキャンバス素材」にさわやかなティールブルーが映える、という書き方でした。
ライトキャンバスフラットバッグ(S)のページも同じことを言っています。
ナチュラル地は黒・濃紺・深緑など高コントラスト色が映える。本体ナチュラルにロゴ1色のトーンを揃えた2色展開にすると、低コストでもブランド感が出る、とも。
| 方式 | インクの乗り方 | 色指定 | 生成りでの見え方 |
|---|---|---|---|
| シルクプリント | 版を作り、ラバーインクを生地の上に乗せる。刷り色数が少なく枚数が多いほど安い | カラーチップ(DIC・PANTONE)で指定できる | 濃い色ほど生成りとの差がはっきり出る。黒・濃紺・深緑が映える |
| 染色プリント | 版なし。CMYKの染料が生地に染み込むので浮き出しがない。少量とフルカラーが得意 | 入稿データの出たなり。色合わせはできない | 生地を白と見立てるので、薄い色は生地の色が勝つ。白は刷れない |
色を付けた行が、生成りの色味を意識しておきたい方式。
写真や細かな絵柄には向く反面、色の基準がある案件では試作が前提になります。
5. 色ムラを名乗る生地たち
生成りの綿カスを「ムラ」と呼ぶなら、当店にはもっと堂々とムラを名乗る生地があります。
リサイクルコットンは、縫製工場や繊維工場から出る布端・端切れを集めて生地にしたもの。
すでに着色された端切れを使うので、新しく染める必要がありません。
着色済みの端切れと糸を、縦糸・横糸でカラーバランスを考慮しながら編み込む。それで「柔らかい掠れた生地色」になる、と一覧ページで説明しています。シャンブレー生地のような雰囲気だと。
リサイクルコットンの巾着(S)の商品説明は、もっと直接です。
色ムラも味わいになる再生素材。
デニム風の保冷トートには「再生素材でネップも味わい」と書いています。ネップは糸の途中にできる小さな節のことで、これも均一でないことを売りにした言い方。
生成りの綿カスは、この列のいちばん控えめなところにいます。
掠れもネップもない、点があるだけ。
ムラを味にする生地が並ぶ中で、生成りは「無地に近い側」なんです。
6. 生成りで作られた事例から
埼玉県のパン屋さんの7周年ノベルティ。
パンの写真をフルカラーで入れるか、お店のロゴを1色か2色で入れるかで迷われていたご相談でした。
候補に挙がったのは4オンスのA4コットンバッグ ナチュラルと、5オンスの厚手コットンマルシェバッグ(M)。どちらも100枚で、染色プリントの見積り。
見積りの欄には、無漂白・コットン100%の自然素材は優しい手触りと品があり、洗濯もして永く使える、という一行が添えてあります。
神奈川県のお客様は、結婚式の引出物としてキャンバストート(M)ナチュラルを50枚。
黒または紺での単色印刷で、参列した方に長く使ってほしい、というご希望でした。12オンスの生地で、希望納期はゴールデンウィーク頃。
A4コットンバッグのページには、料理や食材を擬人化した手書きイラストをぎっしり並べた、島名物のバッグも載っています。その説明の一文。
「生成りのナチュラルな生地はどんな服装にも合わせやすく、飽きが来ない」。
パンの写真、黒1色のロゴ、手書きの線、ティールブルーの文字。
生成りは受ける側なので、載せるものを選びません。
| 商品 | 生地 | 本体サイズ | 印刷できる範囲 |
|---|---|---|---|
| A4コットンバッグ ナチュラル | 4オンス シーチング | 約W260×H330mm・マチなし・持ち手約25×280mm | 最大W160×H220mm |
| コットンナチュラルショルダートート | 4オンス シーチング | 約330×390mm・マチなし・持ち手約25×650mm | W260×H300mm |
| ライトキャンバスフラットバッグ(S) | 8オンス キャンバス | 約W200×H270mm・持ち手約15×250mm | シルク最大W130×H180mm/熱転写・インクジェット W100×H130mm |
| キャンバストート(M)ナチュラル | 12オンス キャンバス | 約360×370×110mm・約10L・持ち手約25×560mm | W240×H200mm(持ち手を除く) |
色を付けた行が、東京都MR様の案件で使われた商品です。4オンスの薄手でも、印刷範囲は4つの中でいちばん広い。
7. 大口向け生成り一覧の見方
当店には生成りオリジナルトートバッグ一覧という、大口向けのページがあります。
ここに並ぶ新作ナチュラルのコットンバッグは、大口向けシルクプリント限定。100枚からの受付で、印刷色数は1色から3色です。
少量やフルカラーで作りたい時は、トップページの「ナチュラル生成り色」一覧のほうから選ぶ、という分け方。
一覧の上には「自然素材のコットンバッグ帆布」「洗濯できます」の見出しが並んでいます。
洗える、が生成りの前提に入っているところがこの生地らしい。
キャンバスホリデートートバッグ(M)Dカン付の説明は「無漂白キャンバスの素直な風合いで、長く使われるノベルティに」。
キャンバストートバッグ(M)Dカン付は370g/㎡の厚手生地で、「安っぽく見えず」と書いています。
素直な風合い、という言い方が、この一覧のトーンをよく表しています。
ムラを売りにもしないし、隠しもしない。
8. 欠点になる時、ならない時
ここまでを踏まえて、生成りの色ムラが欠点になる場面を挙げてみます。
ひとつは、白が要る時。
企業カラーが白ベースだったり、白い部分がデザインの一部だったりする場合、生成りは白ではないので別の生地を考えたほうがいい。
もうひとつは、染色プリントでパステルカラーのベタ塗りをしたい時。
説明ページが「独特の表現となります」と断っている領域で、生地の色が薄い染料に勝ちます。
色味に基準がある場合は、染色プリントのページが試作オプションを案内しています。未試作での本生産によるクレームは受けられない、とも。
正確な色指定ならシルクプリント、という線引きも同じページにあります。
逆に、欠点にならない場面のほうが多い。
黒・濃紺・深緑の1色ロゴ。手書きのイラスト。写真をそのまま。
写真の「アース」は、木の枝を拾い集めてロゴにしたもの。
オーガニックのナチュラルカラーに染色プリントで、「木の質感が綺麗に表現されて」と説明ページにあります。枝の色と生成りの色が近いから、余計に馴染んで見える。
生成りの点は、載せるものが濃いほど気にならなくなる。
受ける側の生地なので、主役はいつも印刷のほうです。
9. まとめ
生成りは無漂白の綿そのままの色で、白ではない。
色ムラの正体は綿カスで、商品ページでは「特有」「ほどよく」と書いている特徴です。
欠点になるのは、白が要る時と、薄い色を染色プリントでベタ塗りしたい時。
それ以外の濃い1色や写真では、点はほとんど意識に上がりません。
迷ったら、生地の色と印刷の色を並べてお見積りに書いてください。
方式ごとの見え方を添えてお返しします。
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